第18回 「死(B)」を見つめて
「死」を便宜的に2つに分けたうち、今回は「かけはしにならない死」の話。
先日、新聞を開いて、次のような見出しに目が釘付けになりました。
トノサマガエル34府県消滅
気象台周辺で続けている生物季節観測で
環境の変化によって観測できない動物が増えてきた
と伝える記事です。それによれば
昨年、トノサマガエルが観測されたのは宇都宮や京都など、
わずか10の気象台だけだった。これまで一度も観測されて いない札幌、
東京、横浜を除くと、34府県で消えたことに なる。
『朝日新聞』2001年5月14日朝刊
TERRAの本拠地である静岡での観測結果は
「観測されたことがない」
原作者があとがきで
<もっとも弱いものの象徴である蛙 >と書いていましたが
地方都市の周辺でも、知らないうちに、
出会いにくい生物になっていました。
カエルって、水陸両用だけど、
だからこそ水も土も必要なんですね。
皮膚がむき出しだから汚染物質に敏感だし、
いろいろな生物のエサとして食物連鎖の底辺で生きている
環境の変化を受けやすい生き物だと聞きました。
紹介した記事は、また、
東京都心でシオカラトンボが観測された
という希望の持てる話も伝えています。
生物には棲息環境が改善されるまでの間
「休眠」する例があるのだそうです。
ただしカエルは…
と、何かで読んだ一節が
心のすみっこをひっかきます。
一度ダメージを受けると立ち直れない生物だ。
椎の木のてっぺんの動物たちが恐怖すべき相手は
鳶でなくてヒトかも。
「いのちのかけはし」になるという最後の希望を
ヒトが打ち砕くのだから。
それに比べれば、
天敵に喰われることなど実は悲しいことではなく
折り込み済みの試練とさえ云えるかもしれない…
今ふりかえってみると、
椎の木のてっぺんにおける出来事を
感傷的に描きすぎたのではないか、
そんな迷いを意識しつつ、
次回、この第2曲の「できかた」について述べます。
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