第21回 椎の木のてっぺん・その3
第2曲の冒頭は、ブンナの視点で
椎の木のてっぺんから眺める風景が歌われることになりました。
自然描写を入れたいと思いました。
「雲が出て」が重要なモチーフです。元気いっぱいの第1曲から、
まさに雲行きがあやしくなってゆきます。
モチーフ=「雲が出て」は、第2曲で表情を変えながら何度か登場します。 恵みの雨が、あるときは傷口を刺す雨に変わるように、
このモチーフは不安や恐怖を表す音にもなります。[K]
張りきって椎の木に登ってきたブンナは、天候の急変で戻れなくなり、
椎の木のてっぺんで捕らわれた動物たちの運命を目撃することになる。
でも、このときのブンナは、まだ、
冒険に出発したときの気持ちのまま。
上昇志向のブンナにとって
「東京」は、椎の木のてっぺんと同じ目指すべき目的地です。[K]
<東京へ通じる白い道は… >というテキストが
印象的に扱われていることが解せませんでした。
ブンナの目的地は
椎の木のてっぺんであって東京ではないし、
時代も場所も特定できない舞台設定だと思っていたので
スコアを初めて見たとき違和感がありましたが、
そういうことだったのですか。
はじめから人間の話として読んでいましたから[K]
第2曲のスコアは、最初のページが「記譜に関する説明」で
いろいろ特別な指示で列挙してありました。
fとuとを同時に発音する。4分の1音高める。子音だけを発音する。
拍の3分割・2分割。5段階の長さの休止。ピアノ・ペダルへの細かい指示。
指揮者から第2曲については無調の方向でいってもよいと
お許しをいただいたので、それをよいことに、
作曲者としては、かなり「遊んで」しまいました。[K]
「遊ばれた」ほうはたまりません。 つづく
今日の
「名前はまだない」猫の名前
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