第9回 “作曲家を決める”ということ
作曲コンペで募集した曲から選ぶならともかく、
まだ生まれていない曲の作者を誰にするのか
これは難問です。
テスト版は決め手にはなりませんでしたが、
根岸圭さんは依然として最有力候補でした。
TERRA側の意向に沿って
様々なパターンで曲を作ってもらえそうなことは
圭さんが静岡に来たときに実証済です。
両者が相談しながら曲作りをすれば、
圭さんの作曲技術とTERRAのアイデアとが相まって、
面白い共同作業が実現するだろうと
私たちは考えました【希望的観測(1)】。
地元にいないことで意思疎通に不安がありますが、
それは努力すれば補えるでしょう【希望的観測(2)】。
希望的観測(1)は“当たり”でした。
最初に届いた「水ぬるむ五月」は、
TERRAの愛唱曲になりそうな作品でした。
みんな大喜び。
さらに、この年の秋には、次の「つぐみのうた」が、
歌詞への思い入れたっぷりに仕上がってきました。
いっぼう希望的観測(2)は、
結果的に思い通りにはなりませんでした。
ただし“常に必ずできなかった”というわけではなく。
実は、「つぐみのうた」は、
希望的観測(1)(2)どおりになった幸福な曲だったのです。
次回、そのあたりのことを圭さんに聞きます。
今日の
「名前はまだない」猫の名前
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