第23回 指揮者@椎の木のてっぺん
『佐久夜』本番でも吾輩が指揮をすることになろうとは…
作曲家が「遊んでしまった」ような曲を得て、苦労するのは指揮者と技術委員長だと同情します。指揮者としては、第2曲のスコアを見て “We're No Angels(俺達は「東混」じゃない)”とは思わなかった?
まるっきり無調というわけではないので、
音については時間をかければ
なんとかなるかな、と思っていました。
しかし、ここでもリズムに苦しめられましたね
そんなに難しくもないのですが・・・
音の振り分けを少し変えたりして、ごまかしたところもあります。
なかなか思うようにいかない時は、
「作曲者にしかわからないことだから、まあいいか」
と開き直っていましたが、初演までには
何とか圭さんにも納得してもらえるところまで
持って行けたと思っています。
冒頭のア・カペラの部分について
これはTERRAのシナリオになかったもので
面食らったし、
音も難しい、リズムも難しい、
おまけに、
なぜここで「東京に通じる白い道」が出てくるのか?
といったもろもろの理由で、
自分の中で受け入れられるまで時間がかかりました。
なぜ東京か?については第21回を参照。
でも、この部分を付け加えたことは、
流れの上からいっても、
曲の面白さからいっても、
良かったと思います。
作曲した根岸圭さんのクリーンヒットです。
圭さんが原作のエッセンスと読んだというテキストによる曲も、最後の節として付け加えられていましたが
弱いってことはわるいことではないよね
かなしいことだけど
わるいことではなく
この部分は、難しいわけではありませんでしたが、
これがあると、どうしてもすっきりしません。
シナリオ作りをしながら、さんざんディスカッションした結果、
阿鼻叫喚の中でネズミの声が最後に残るというイメージが
非常に強く私たちにインプットされてましたから。
初演では割愛しました
第2曲のイメージが既に固まっていたので、
カットすることを決断するまでに時間はかからなかったですね。
こういう変更は、大家や有名作曲家に委嘱した場合には難しかったかも
今回TERRAが若い作曲家との共同作業という路線を選んだのが
功を奏しました。
阿鼻叫喚を復活させるについては工夫が必要でした
曲に合わせて、演劇マニアのワコが
台詞を振り分けてくれました。
そのおかげで、
なかなか臨場感あふれる効果を出すことができました。
第2曲は根岸圭さん本領発揮という感じですが
とりわけ中間部分の鳶の襲来は、圭さんの実力発揮といった感が強く、
ピアノの部分など、さすがだと思いました。
また、それを弾きこなしたピアニストのミキちゃんも見事でした。
初めてスコアを手にした時と打って変わって、今では団員たちに愛されている曲と云えそうですが、愛唱曲としては残りにくいですか、ね?
愛唱曲にはならないでしょう。
でも、「ブンナ〜」全曲中で重要な位置を占める曲であり
きわめて秀作であったと評価しています。
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